あこがれの金物屋

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時計(1996モスクワ ВОСТОК)

こんばんは、昔からリピーターだったTadakossiです。

 

いやー、私の初めての日本脱出が1995年のモスクワだったんですよ、年齢がバレバレですが…。

当時はソ連の崩壊からまだ日も浅く、マクドナルドに行列ができるとか議会に戦車から砲撃するとか、あまり行こうとする人がいなかった頃ですよ。

まー、私が行ったときは行列もありませんでしたが。

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いずれにしろ、当時は「るるぶロシア」なんてものが発刊されるなんて、冗談のネタにもならないくらいでした。

まー、初めての日本脱出ということでわけわからないので、航空券とホテルがセットになっていて現地はフリーというツアーで行きましたが。

 

何が気に入ったのか、翌年の1996年にもモスクワにリピートしちゃいまして…。

そんなモスクワの定番の観光スポットの雀が丘で、ぼけーっと間抜け面で紅葉がきれいな秋のモスクワ川越しの景色を眺めていたんですよ。f:id:kanamotti:20181128194756j:image

 

モスクワ大学なんかも近くにあって、とても雰囲気のいいところですよ…


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すると、若いお兄ちゃんが話しかけてきました。

ロシア語を解さない私でしたが、手に時計を持っているということはこれを売りつけたいのだな、ということは理解できました。

ほー、ロシア製の時計とは、これはいいお土産になるかもしれない、時計嫌いじゃないし。

 

値段を聞くと米ドルで65ドルとのこと。

もー、2回目とはいえ、モスクワの物価感覚もよくわからない私は、あろうことか、次の瞬間には愛想笑いを浮かべながらきっかり65ドルをお兄ちゃんに渡してしまっていました…。

たぶん値切れば5分の1くらいでも買えたのかもしれません…。

それを見た他の売り子たちが、なんとわらわらと私の周りに集まってくるじゃないですか。もう、振り切るのが大変でした…。

 

そんななって苦労して手に入れたのがこれ…


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ВОСТОК(VOSTOK)社製の時計、Командирские(Komandirskie)です。

そんな時計、私も買ったときには存在さえも知りませんでした。

あとで知りましたが、日本にもコレクターがいるようです。

 

見てください…

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このチープな絵柄。いま冷静に見ると、とても65ドルには見えません…。

戦車が描かれているということは陸軍仕様のようです。

下の方に「ЗАКАЗ МО СССР」と書かれているとソ連国防省の正式発注品のようですが、私のものには書かれていません。

そんなことつい最近知ったことですが。

 

裏を見てみると…


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下の方に「АВТОПОДЗАВОД」、これは恐らく自動巻きです。

たしかに腕につけていると自動でゼンマイが巻かれる気がします。

これを買ったあとにいくつかボストークの時計を買いましたが、その中には自動巻きではなく、いちいちリューズでゼンマイ巻かないといけないものもあった気がします。

 

あと、上の方には「ВОДОНЕПРОМИЦАЕМЫЕ」と書かれているようです。

どうも防水性があるよ、ということのようです。もっとも、水につける勇気はありませんが…。

 

この時計の大変なところは、日付を合わせるのに長針をひたすら回転させないといけない点です。まー、20時と4時の間を往復させてもいいようですが。

お兄ちゃんから買ったあとに、近くのモスクワ大学のグランド脇で必死になって日付を合わせたことを覚えています…。

 

この時計、いつ作られたものなのか不明ですが、しばらく(年単位で…)ほっといても、あるとき思い出したようにゼンマイ巻いてあげるときっちり動いてくれます。

さすが軍隊でも使われていたと思われる製品、見た目の割に耐久性はありそうです。

一方で、2010年ころにいくつか買ったボストークは、すぐにリューズが動かなくなってしまいました…。

最近の方が製品の品質は落ちてしまっているようです。

 

この時計、今となっては恐らく入手はなかなか困難と思われ、希少性とともに、私の日本脱出のいわば原点のモスクワを記念するよい品になっています。

最近のボストーク社製の時計はどうも食指が動きませんが、ロシアに行く機会があったら、蚤の市や露天とかで古い時計を売ってるかもしれないので、注意深く見てみたいと思います。

 

これを書いていたら、異国の文化と接するワクワク感など、日本脱出の初心を思い出してしまいました。

そろそろ日本脱出を計画しないと…。